ピアノ協奏曲第21番ハ長調 1
作品そのものに充分な魅力があり、また、真の価値がなけれぼ意味ないことではあるが、ある演奏に接したことによって、ひとつの作品を知ったり、また、それへの愛着を増したりするということは、いろいろな次元においてあり得ることであろう。
ごく一般的なケースにしたがえば、映画のテーマ音楽風に使われたり、コマーシャルのBGMにされたことによってポピュラーになった例も、けっして少なくはない。
ハ長調K四六七の第二楽章といってわからなくても、映画『みじかくも美しく燃え』の音楽といえばすぐわかってしまう人があるというのも、その一例といってよいであろう。
映画そのものは、一九六七年にスウェーデンで制作されたものであったが、それは、かなり多くの人びとの心をとらえたにちがいない。
しかし、残念ながら、それによってこの協奏曲全体に対して愛情や理解をもつようになった人は、必ずしもすべてであったとは思えない。