ピアノ協奏曲第19番へ長調 1
『慈悲深きお許しを得て、本日1790年10月15日金曜日に市立大劇場において、楽長モーツァルト氏が自分の利益のために大音楽会を催します。
〔第一部〕
モーツァルト氏の新しい大交響曲/シット夫人の歌うアリア/フォルテピアノ用の協奏曲楽長モーツァルト氏のオリジナルの作曲で、モーツァルト氏の演奏/チェカレルリ氏の歌うアリア
〔第二部〕
楽長モーツァルト氏のオリジナルの作曲による協奏曲/シット夫人とチェカレルリ氏の歌う二重唱/モーツァルト氏の即興演奏による幻想曲
交響曲開演は午前十一時』
これは一七九〇年に、新しく皇帝になったレオポルトニ世の戴冠式がドイツのフランクフルトで行なわれた折、モーツァルトが行なった自主演奏会を知らせる広告用のチラシである。
この時モーツァルトは、ウィーンからこの戴冠式に参列する音楽家の中に選ばれなかったために、個人としてフランクフルトに赴き、この演奏会を行なったのである。