ピアノ協奏曲第17番卜長調 3
この作品は、モーツァルトのピアノ協奏曲の中では、最も奔放な楽想の展開を思わせるもののひとつであり、そこには、いわば霊感の横溢を感じさせるものすらある。
しかも、それは、彼が5月に買いこんだムク鳥との生活を反映したものであり、彼が、この鳥を家族のごとくに愛したことが、その楽想の上にも生かされていると言われるユニークな一面をもった作品でもある。
しかし、いかにもモーツァルトらしさをたたえたこの協奏曲は、もちろん他にもすぐれた作品がいくつかあるからにはちがいないが、通常コンサートで取り上げられる機会は、意外なほど少ないし、それをレパートリーとしていないピアニストも、かなりあるように見うけられる。
レコーディングは、それなりに数はあるが、それらの中では、やはりアシュケナージの演奏に、最も魅かれる点が多い。
それに70年代初めのバレンボイムの演奏も忘れ難い。