ピアノ協奏曲第17番卜長調 1
ウィーンでの自立生活を始めて三年目となる1784年のモーツァルトは、いわば人気の絶頂にあった。
この年、彼は、作曲家とピアニストとしての活動にひとつの頂点を築き、多忙な生活にも深い喜びを感じていたし、それによって、経済的にも音楽的にも強い自信を得ることになった。
彼が、この年の2月に、みずから作品目録をつくりはじめたということは、
まさにそれを象徴するもののひとつと言ってもよいであろう。
その記念すべき最初の作品としては、変ホ長調K494のピアノ協奏曲が記録されたわけであるが、この年には、それにはじまって、じつに六曲におよぶすぐれたピアノ協奏曲が生みだされているのであり、その中の四曲が、5月には父レオポルトのもとに送られている。
もちろん、そこには変ホ長調の作品も含まれているが、その四曲の中での最新作が、4月12日という完成の日付けをもつト長調K453であった。