食と食への不安 3
「解凍ものである場合は〈解凍〉」という表示規定でも、事情は同様だ。
サンマが店頭でどう表示されているかを見れば一目瞭然だが、〈生〉はあっても〈解凍〉の表示例は少ない(なかには解凍ものを〈生〉と表示する"反則技"もあるようだ)。
ここでも「無表示=解凍もの」らしいとの"暗黙の了解"がガイドラインの指示を反転させてしまつています。
理屈では"情報開示"こそが消費者に安心感をもたらすと言えても、販売者側に二の足を踏ませるムードはたしかにある。
そこに見え隠れするのは、〈養殖〉だの〈解凍〉だのを明記したら、売れるものまで売れなくなってしまうのではないかとの根強い不安感だが、そうした態度が消費者側にくすぶっているマイナスイメージを刺激して相互に不信感を増幅させれば、これはもう悪循環となる。
養殖ものも冷凍ものも、根拠なきマイナスイメージからは一日も早く解放されなくてはならないのに、消費者心理への疑心暗鬼と不安感に押されて、曖昧な"暗黙の了解"に寄りかかっている限り、事態は変わらない。